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【ヒロアカ】〜復習に囚われた天使〜

第5章 ー彼の過去・私の個性ー



『…なんで?』

「お前は…個性婚って知ってるか?」

その言葉は聞いたことがある

「俺の父親は万年No.2のエンデヴァーだ
親父は極めて上昇志向の強い奴だから
自分ではオールマイトに勝てないと悟り
…母の"氷結"の個性を手に入れ
そこに生まれたのがこの俺だ」

左側の火傷を抑え話す彼は無表情だが
その姿はどこか寂しそうにしている

「5歳になった頃から将来の為の訓練をされ
それに反対した母は暴力を受けいつも泣いていた

そしてある日母は俺の左側が憎いと
この左側に煮え湯をあびせたんだ」

いつも無表情な彼がこうなったのは
小さい頃のその記憶のせいー

それがわかった私は気付いたら
轟君をぎゅっと抱きしめていた

「?!おい、離…

『ごめん…こうしなきゃいけない気がして……』


私とは違った悲しい過去ー

初めてあった時感じた気持ちは
この過去に囚われた似た境遇だったのだろう

『いままで辛かったよね……
でもそんなに自分の個性を憎まないで…
その2つで轟君の力だから
誰のものでもない、君自身の力なんだよ……』

「…っ!!……」

腕の中の彼の肩が少し震え
私の背に遠慮がちに手が回される

そのまま抱きしめ返した彼は
しばらく顔を上げることはなかった

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