第4章 ーヒーロー基礎学ー
そして轟君との帰り道
私より手前のバスで降りるはずの彼
でも今日は家に送ってくれる為に
わざわざ同じバス停で降りて隣を歩いている
「神無月の家はどの辺なんだ」
『バス停からほんと近いよ』
そんな会話を交わしたあと
すぐに着いた私の住むマンション
『ここが住んでるところだよ
轟君、送ってくれてありがとう』
轟君に振り返りお礼を言うが
彼は私をじっと見つめたままー
"どうしたの?"と尋ねようとしたが
その直後彼が放った一言に私は固まった
「…お前の個性は治癒と身体強化なのか」
そう言えば学校を出てからの今まで
ほぼ会話という会話が無かった彼
ただ無口だと思っていたのとは違って
ずっとどう切り出すか考えていたのかもしれない