第4章 ーヒーロー基礎学ー
『はぁ…はぁ…これ全部受け止めるか』
「いくらやっても無駄だ」
『無駄かどうかはまだ分からないよ』
いくら攻めても表情を変えない彼
その姿に段々腹が立ってくる
それというのもこの部屋に入ってから
彼は1度も個性を使おうとしないからだ
『それに…いい加減個性使いなよ!』
「個性を使えない相手に
…ましてや女子に使えない」
『…は?』
その轟君の言葉にカチンとなり
攻撃を繰り出しながら持っていた
捕縛用テープを彼の脚に引っ掛ける
「?!」
『女とかで決めつけないで』
そしてバランスの崩れた彼の顔面目掛けて
回し蹴りをしようとした矢先…
「つっ…!くそ!」
『?!……しまっ
彼の右手から冷気が発され…
私は咄嗟にそれを避けてしまう
だがバランスを崩したせいで
思ったより近くにあった氷壁に頭を打ちつけ
私はそのまま意識が途絶えたー