第22章 ー襲撃後ー
BARに置いてあるTVからは
雄英高校の記者会見の様子が映っている
そこには校長と今回の合宿に参加した
2クラスの担任である2人の先生の姿ーー
そんな彼らにマスコミは容赦なく
多くの質疑を繰り返し責め立てていた
「不思議なもんだよなァ…
何故ヒーローが責められている?
彼らは少ーし対応がズレてただけだ…」
死柄木はテレビからの声を聞きながら
今のヒーロー社会への不平不満を漏らす
"守るという行為に対価が発生した
この時点でヒーローはヒーローではない"
「これはステインのご教示!」
ヴィラン達の目的はこの社会が
本当に正しいのかを一人一人に見直させる事
「俺達はこの戦いに勝つつもりだ
…君も勝つのは好きだろ?荼毘、拘束外せ」
「は?いいのかよ」
「あぁ、対等に扱わなきゃなスカウトだもの
……それにコイツがいる、下手に手は出せない」
拘束を外すように言った死柄木の視線の先には
爆豪と共に攫われた神無月が静かに眠っていた
「椿紗!?っめぇら…そいつに何した?!」
「クククッ…焦るなよ。
ただ気を失って眠ってるだけさ」
死柄木は眠る彼女の髪を一房掬い…爆豪を見る
「変なことは考えるなよ?
お前の行動次第では……な?」
そう言ってギュッと握ったその髪は灰と化す
「さぁ、話を続けよう…爆豪勝己君」
彼女を人質に取られた爆豪は
それまでの抵抗心を一気に奪われたのだった