第18章 ー職場体験・速すぎる男ー
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「…どうしたと?」
泣きじゃくる小さな子に声を掛ける少年
あの女の子はーー小さい頃の私?
「泣いとっちゃ…分からんよ
君名前は?俺は"鷹見啓悟"」
小さい私の頭を撫でながら
優しくあやすように話し掛けている
『…き…京極……椿紗』
「椿紗っていうとね、可愛い名前たい
…それで何で泣いとったと」
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『ん……ゆ、めか…』
懐かしい記憶
母と父が居なくなってすぐの頃のーー
いつものように丘上で泣いてた時に
あの少年ー"鷹見啓悟"に出会った記憶
結局あの1度しか逢わなかった彼
私と同じ翼を生やした個性だった
『……ああ…だからか』
ベッドから降り服を着替え部屋を出る
まだ7時といつもの集合時間には早いが
彼ならきっと既に事務所にいるだろう
そう思いながら事務所のドアを開けると
案の定彼は…ホークスは既に居た