第18章 ー職場体験・速すぎる男ー
『おはようございます』
「おお、おはよう
こんなに早くどうしたと?」
こちらをちらっと見ただけで
また書類に視線を戻す彼ーー
ここに来て3日…彼の休む姿は
ほとんど見てない気がする
『ホークス……いえ、鷹見啓悟さん』
「?!……お前」
『貴方のこと思い出しました
…にしてもあなたも意地悪ですね』
本当……意地が悪い
わざわざ気になるような
言い回しをするんだからーー
「全く覚えてないみたいだったけんね」
悪気のない笑顔で言う彼に
私もそれ以上はなにも言わず
ただ窓から見える朝日を見やった
『でも帰る前に分かって良かったですよ
ここに来るまでの間ずーー…っと
モヤモヤして何も手につかなかっ…?!』
そう言いながら振り返るが何故か
彼の顔がすぐ側にあって言葉に詰まった
「そんなに俺の事考えてとったとね」
彼の妖艶な目に見つめられ動けなくなる