第18章 ー職場体験・速すぎる男ー
「遅いですって
完庭那のバーで客が暴れてるらしいから
次そこで!事後処理お願いしまーす」
パトロールに出てから数時間ーー
私と常闇君はひたすら走り回っている
「俺らはほぼ後始末でね…
ホークスははやすぎるもん!
やけんこの形が1番効率的とよ」
笑いながらそんな事を言う彼ら
(そんなのでいいの?……
結局ホークス1人に負担かかるだけじゃん)
先を行く彼の背中を見つめながら
ただ追いかけるしか出来ないのが情けない
『常闇君…ごめん、先に行く』
「?!おい!神無月!」
翼を出現させ一気に空へと飛び立つ
(九州まで来たのにこんなの違う…
ただ追いかけてちゃ成長出来ない!!)
彼の後を追いかけようやく追いつくが
既に騒ぎは鎮火されてお礼を言われてる
『ホークス!!』
「ん?おぉー、今度は早いねぇ
アイツらは置いてきたん?」
店の人から貰ったであろう
食べ物を頬張りながら笑ってる彼
その余裕さが今は癇に障るがーー
『はい…私はこの一週間
ただ雑用のために来たんじゃない
貴方から盗めるものは盗んで帰ります』
キッと睨みながらそう言い切る
「…ヒュ〜…いいね、期待してるよ」
そして最後の1口を食べ終わると
"ついてこれるならね"
そう言って彼はまた飛び立った