第16章 ー募るそれぞれの想いー
あれから流れで轟君と帰ることになった
『轟君は2連休何するの?』
「俺は…母さんに会いに行こうと思う」
過去の話を聞いた限りじゃ
彼がお母さんに会うのは数年振りか
そう思えるようになったのはきっと
デク君との戦いがきっかけなんだろう
『そっか…沢山話出来るといいね』
「あぁ…神無月はどう過ごすんだ?」
『私は…九州のおばあちゃん家に
顔出しに行こうかなって思ってる』
そう言えば轟君も"そうか"とだけ言う
そして轟君が降りるバス停に着くが
何故か彼は降りる素振りすら見せない
『轟君降りないの?』
「…もっとお前と話したい
お前の家行っても、いいか?」
少し赤くなりながらそう言う彼
『じゃあ、夕飯も食べていきなよ!
帰りスーパー寄って行こう♪』
深い意味もなくそう言った私に
優しく微笑む彼の笑顔は可愛い
そして私の最寄りのバス停で降り
スーパーで軽く食品を買って家へ向かった