第15章 ー雄英体育祭・ガチンコバトルー
**緑谷side**
「…ん…」
「目が覚めたかい、緑谷少年」
身体の怠さを感じながらも目を開けると
目の前には心配そうに見るオールマイトがいる
「すみません…果たせなかった」
試合の前にオールマイトに言われた言葉
"君が来た!ってことを
世の中に知らしめて欲しい"
それを思い出して唇をぎゅっと噛みしめる
「いいんだ…君は彼に
何かをもたらそうとしていた
……それより身体は大丈夫かい?」
それなのに彼は怒ることも無く
ただ僕の身体を心配して気遣ってくれる
「あ、不思議なくらい痛みも何も…
リカバリーガールありがとうございます!」
「…治したのはあたしじゃないさね」
背を向けたままの彼女にお礼を言えば
少し怒ったようにそう言われてしまう
「え?でも怪我治って…
「それは神無月少女が治したんだ」
その言葉を聞きながら僕は先程まで痛みで
動かすのも辛かった両手をグッと握り締める
(怪我する前と何も変わらない…
神無月さんの個性…凄い治癒の力だ)
今頃戦っているであろう彼女に
感謝しながら僕も観客席へと急いだ