第15章 ー雄英体育祭・ガチンコバトルー
それから担架で運ばれるデク君
あまりにも痛々しいその姿に
私はすぐさま彼の元へと走った
医務室へと着きノックして入ると
中にはリカバリーガールと骸骨の様な男性
『あの、デク君の様態は…』
「右手の粉砕骨折…元通りには無理さね
これから破片が関節に残らないよう
摘出してから……治癒するとこだよ」
両腕を固定され痛みに歪んだ彼の顔
『私ならそんな事せず…治せます』
「な!あんたはこれから試合だろうが!」
リカバリーガールの制止の声も聞かず
デク君の横たわるベッドの端に腰掛ける
『大丈夫です…この間と違って
体力は充分有り余ってますから』
そして苦痛に歪むデク君へと
顔を近付け…彼の唇へと口付ける
(治療とはいえ勝手にキスしてごめんね…)
意識のない彼に申し訳ないと思いながらも
私は渡せるだけの体力を彼へと送り続けた