第15章 ー雄英体育祭・ガチンコバトルー
それからデク君の試合は彼が心操という人を
場外へ背負い投げした事によりすぐ勝敗がつく
「勝って良かったぁ!!ね、椿紗ちゃん!」
『あ…うん、そうだね!!』
隣で嬉しそうに笑うお茶子ちゃんとは裏腹に
私は先程の心操君の言葉達に胸が痛かった
(私達がこんな風に過ごせる裏で
あんなに辛い思いしてる人がいるんだ…)
殆ど復讐心の為にこの雄英に来た私には
純粋にヒーローを目指す彼等に対し…失礼だ
『ちょっと御手洗行ってくるね』
「次轟君と瀬呂君だから早く戻りなよ〜」
その言葉に"わかってる"とだけ伝え
トイレへ向かうと冷たい水で顔を洗う
『…よし、大丈夫』
気持ちを切り替え
トイレを出ると急いで席へ戻る
「優秀!!優秀なのに拭いきれぬ
その地味さは何だ!!ヒーロー科 瀬呂 範太!!」
丁度2戦目の選手紹介のタイミングで
私は空いていた切島君の隣へ腰かけた
「おう神無月どこ行ってたん?」
『ちょっと御手洗行ってただけ♪
ていうかさ瀬呂君の紹介酷いねw』
「VS3位・1位と強すぎるよ君!
同じくヒーロー科 轟 焦凍!! START!!」
「確かにヒデェw」
そのプレゼントマイクの紹介に2人で
静かに笑った矢先…会場響いた衝撃ー
一瞬にして瀬呂君側の会場方面に
物凄い氷壁が出来上がっていた