第15章 ー雄英体育祭・ガチンコバトルー
尾白君と1-Aの観客席の方へ行くと
試合は始まってるはずなのに静かだ
『何これ、どういう状況?』
「椿紗ちゃん、遅かったね!開始早々
デク君が突然動かなくなっちゃって…」
状況を説明してくれるお茶子ちゃんの言葉に
私と尾白君は目を見合せため息をついた
『デク君、返事しちゃったみたいだね』
「あれほど応えるなと言ったのに…」
それから固まったままのデク君が
振り返り場外へ向かって歩き始める
何か衝撃さえあれば解ける個性なのに…
(デク君……頑張って)
そして観客席からただ見守っていると
突然デク君のいた場所で爆風が起こった
「ーー?!これは緑谷とどまったぁー!?」
「すげぇ…無茶を…」
先程の爆風のせいで腫れ上がった2本の指…
きっとデク君は個性を暴発させたのだろう
『…さすがデク君だ』