第16章 「ラストシーンの後は」
千鶴「ねぇ…!!何がどうなってるの…!?どうして急にさとっちいなくなっちゃったの!?あの時…一体何があったの!?答えてよ晴人くん!!ちゃん!!さとっち…どこいっちゃったの…?」
晴人「…逃げた。1人で」
『!!』
隠し通すつもり…!?
千鶴「じゃあ…あのファントムは!?」
晴人「…逃げた」
千鶴「信じらんない…!どうしてさとっち1人にして私のこと助けてんの!?ねぇ逆でしょ!?狙われてるのさとっちなのよ!?」
千鶴は晴人との服を握り締める
凛子「千鶴さん!!落ち着いて!!」
千鶴「落ち着けるわけないでしょ!?…さとっちの言った通り…。ゲートを守る魔法使いだとか言って全然頼りにならない!!」
コヨミ「いい加減にして!!晴人とはあなたのために…!!」
晴人「コヨミ」
晴人は首を横に振った
コヨミ「………」
千鶴「…もういい…っ」
千鶴は面影堂を飛び出した
凛子「千鶴さん!!」
輪島「晴人。」
2人は輪島の方を見た
輪島「迷えば迷うほど彼女を苦しめるぞー」
晴人「……そうだな…」
『…うん…』
晴人は立ち上がった
晴人「おっちゃんの言う通りだ」
晴人とは千鶴の元に向かった
千鶴がいた場所は映画のラストシーンを撮った場所だった
晴人「千鶴ちゃん」
千鶴「…………」
晴人「ここ…映画のラストシーンの場所だよね」
千鶴「…よく覚えてるのね」
晴人「大事なことなんだ。正直に話してほしい」
千鶴「…………」
晴人「千鶴ちゃんの心の支え…本当は映画のフィルムじゃないよね?」
千鶴「…!」
晴人「初めての映画を一緒に作った人と過ごした時間…。いや、彼そのもの」
千鶴「…そうよ。悟史よ…!悟史がいたから…私女優になろうって思ったの…!悟史が褒めてくれたから…!でも…全然うまくいかなくて…っ!ずっと顔が見たかった…。やっと再開できて…生きてるってわかったのに…。…お願い晴人くん、ちゃん…。悟史を守って…?」
~♪~♪~♪~
晴人の携帯が鳴った
晴人「………サンキュ」
晴人は携帯を切った
きっとコヨミからの電話だろう
ファントムを見つけたという…