第56章 「伝えたい言葉(ソラ寄りの方はこちらへ)」
やっとコヨミの眠れる場所を見つけ、久々にこの街へ帰ってきた
は久々に1人で街を歩いていた
『この景色も懐かしいなぁ…』
ファントムが現れた場所、ゲートを助けた場所、ソラと会った場所…
『ソラ…』
あの光景が脳裏から離れない
灰になって消えていく瞬間
自分の中の何かも一緒に消えた感覚
『(ソラはファントムだった…仕方ないこと…だけど…)』
彼はコヨミを殺し賢者の石を手に入れた
『そのことだけは本当に許せないけど…』
店長「あらちゃん…?」
『あ、店長さん』
店長「帰ってきてたのね〜!久しぶりじゃない!晴くんは?」
『帰ってきてますよ。多分疲れて寝てます』
店長「そうなの〜、次は晴くんと来てね!」
『はいっ』
買い物の途中の店長と会った
元気そうで何よりだ
『私もそろそろ帰ろうかな…』
「ちゃん」
『!』
後ろを振り返っても誰もいない
『今…ソラの声が…した気がしたけど……』
周りを見てもそんな気配はない
『思い込みすぎだな…帰ろう』
「無視するなんて酷いなぁ〜」
『ソラ……いるの…?』
「いるよ」
ギュッ…
後ろから抱きしめられる
その声と匂いはあのときのまま
「久しぶり、ちゃん。会いたかった」
の瞳から涙が零れた
『ソ…ラ……』
腕を離して向き合う
そこにはあのときのままのソラの姿があった
『ど…して…』
「んー…わかんない♪でも… ちゃんにどうしても会いたくて…お願いしてたらここにいた。奇跡…ってやつ?」
『何それ…』
「もうファントムにはなれないし、悪いこともしないよ。今までのこともちゃんと謝る。ちゃんと…滝川空として… ちゃんの隣にいたい」
『………』
「ダメ…かな」
『…ううん、ダメじゃないよ。でも…ちゃんと償ってもらうからね』
「…!うんっ!」
『おかえり、空』
空「ただいま、ちゃん」