第15章 「帰って来た映画監督」
千鶴「もったいないって君…。そう簡単にいかないの。…あ、ちょっと見てくるね!」
千鶴は悟史のいる部屋に向かった
千鶴「…さとっち!!?」
千鶴の声にみんなが駆けつけると、部屋の中には悟史はいなかった
凛子「まさかファントム!!?」
千鶴「え…!?」
晴人「探してくる!!」
晴人とは走り出した
『どこに行ったの…!?』
店長「晴くーん! ちゃーん!今月の新作食べてかない!?」
晴人「悪い!今急いでんだ!」
『すいません!また後で来ます!』
そしてまた走り出した
『ハァ…ハァ…ハァ…』
晴人「大丈夫か?」
『うん…』
悟史「晴人!ちゃん!」
後ろを振り向くと、そこには平然な顔をした悟史が立っていた
悟史「何か息詰まっちゃってさ…。あ、ついでにちょっと散歩でもしながら帰ろう」
晴人「うん」
横断歩道に差し掛かった
何も気にせず横断歩道を渡る
『晴人…!』
晴人「!」
目の前には倒れているおばあちゃんが
『大丈夫ですか?』
「ありがとうございます…。ご親切にどうも」
晴人「怪我とかない?」
「ないです。ありがとうございます」
3人はおばあちゃんと別れた
悟史「2人とも、こっち」
悟史に案内されたのはスクラップ工場の中
悟史「ここ、大学への近道なんだ」
晴人「へぇ~…」
『わぁ…』
機械の圧力で車は粉々に砕かれる
晴人「すげぇな」
目の前の車に目を取られていると
晴人「!!」
『え…?』
いきなり腕を掴まれ、引き寄せられる
ガシャン!!!
上から車が落ちてきた
晴人「大丈夫か!?」
『へ…平気…。ありがとう…』
悟史「大丈夫か2人とも!」
晴人「悟史…!大丈夫か?」
悟史「あぁ…」
晴人「巻き込まれなくてよかった…。さっさと行こうぜ」
晴人は歩き出した
しかし立ち止まり…
『晴人…?』
車のガラスに写る悟史の姿
悟史はファントムになっていた
晴人「!!」
悟史《うりゃぁぁぁぁ!!》
晴人「!!」
晴人はを自分に引き寄せた