第15章 「帰って来た映画監督」
千鶴「見たかったんだけどなぁ…しょうがないか」
悟史「…いや」
千鶴「え?」
悟史「晴人くん、ちゃん。やっぱり俺、こんなところでじっとしてる場合じゃない!一刻も早く映画を完成させたいんだ!!じゃ!」
悟史は面影堂を出て行こうとした
晴人「おい、何もこんなときに…!」
『そうですよ!』
凛子「命が危ないってときに…!」
悟史「映画は俺の命だ!!じゃ」
悟史は面影堂の扉に手をかけた
晴人「わかった。俺も行く」
『私も行く』
みんなは悟史と千鶴の行っていた大学に向かった
ガチャッ
ある一室に入ると、そこには映画に関連する機械がたくさんあった
千鶴「うわ~!相変わらずね~!」
『すごい…。こんなの見たことない…』
凛子「お邪魔しまーす…」
瞬平「う~ん、いかにも映研って感じですね~!!」
晴人「って、みんなして着いてこなくても!」
千鶴「だって来たかったんだもん!!あー!!」
千鶴はある写真を見つけた
千鶴「これ、ラストシーン撮ったときの!」
みんなはその写真を見る
晴人「あれ?これもしかして千鶴さん?」
千鶴「うん!」
瞬平「おぉ~!」
悟史「はいはいはい!!編集始めるからおしゃべりは外でやって!!」
悟史はそう言って、部屋にいた全員を外へ出した
そしてカーテンを閉めてしまった
5人はしょうがなく地面に座って話しを始めた
晴人「へぇ。千鶴さんって女優さんなんだ」
千鶴「まだタマゴだけどね。…あの自主映画がきっかけなんだ…。学校歩いてたらさとっちに掴って、「俺の映画の主演女優になってくれ!!」って!!初対面でいきなりよ!?」
晴人「でも引き受けたんだ」
千鶴「…えへ…ヒマだったから…。あのときは…たった一週間だったけど、なんだか毎日すっごい濃くて。あんなの初めてだった…。あの頃は楽しかったなぁ…」
晴人「何、今は楽しくないの?」
千鶴「え?」
晴人「いや…あの頃はって言うから」
千鶴「…そうね…。正直…さとっちに持ち上げられてその気になっちゃったけど…レッスンじゃ怒られまくるし…オーディションも落ちまくり…。もう…辞めちゃおっかなーなんて!」
瞬平「え!もったいないですよ!!せっかくやりたいこと見つけたのに…!」