第14章 「夢を継ぐ者」
きっと徹也さんは松木庵にいるはず
『徹也さん!!』
徹也「わっ!」
『よかった…まだ来てない…』
徹也「どうしたんですか…?」
『あなたが狙われてるの…。でも…大丈夫だったんだ…』
徹也「はい…」
徹也は和菓子を作っていた
『(瞬平くんのおかげかな…)』
は座ってその作業を眺めていた
しばらくすると晴人たちがやってきた
親方「徹也!!」
晴人「!」
『大丈夫。無事だよ』
晴人「よかった…」
親方「何してんだお前…」
徹也「黙って見ててください…」
徹也は黙々と作業を続けた
そして「きぼう」を作り上げた
徹也「できた…」
晴人「「きぼう」…」
徹也「親方…。食べてください」
徹也は親方に饅頭を渡した
親方は受け取り、一口食べた
親方「…よし、店に出しても恥ずかしくねぇ」
徹也「!!…ありがとうございます!!」
3人は顔を見合わせて笑った
徹也「親方…。俺もっともっと修行して、親方の味、全部守りますから。この店がなくなっても…親方の思いは俺が受け継ぎますから」
親方「…徹也。この饅頭持って今すぐ梅林堂に行け」
徹也「え…?」
親方「お前を雇ってくれるよう、頼んでおいた。この饅頭がお前の履歴書だ」
徹也「……親方…」
親方「俺の後を継いでくれるのはお前しかいねぇんだ。これぐらいさせてくれ」
徹也「……………」
親方「一人前になんの…楽しみにしてるからな」
親方は饅頭を1個1個大切に包んだ
徹也「…はい。俺が親方の…「きぼう」になります」
コヨミ「何だか晴人とみたい…」
晴人「…そっか…夢を継いだのは俺の方だったな…」
『(思い出したんだ…。瞬平くんとの約束…)』
晴人「俺も受け止めてやんねぇと…」
「お忙しいところ失礼します」
晴人「ファントム!!」
「おやおや…まだそんな饅頭を…。私が…処分してあげましょう」
桐谷はファントムへと姿を変えた
《お弟子さんと…一緒にね…》
晴人「、早く饅頭を届けろ」
『わかった』
晴人「あんたたちの思いは…必ず守ってやる」
『さぁ!早く!』
4人は裏口から出て、梅林堂を目指した