第13章 「希望の和菓子」
瞬平が急いで戻ってきた
親方「えぇ…?」
徹也「毎日500個!?」
「はい。私、成島屋百貨店、地下食品売り場、和菓子担当マネージャーの桐谷と申します」
桐谷は名刺を渡した
桐谷「当和菓子売り場デイリーユーズコーナーにぜひ松木庵さんの新作オリジナルまんじゅうを置かせていただきたいのです。まずは明日から半年間」
徹也「毎日500個を半年!?」
瞬平「ね、すごいでしょ」
晴人「すごすぎて逆に不安だろ」
『そうよ。大丈夫なの?』
親方「そうだ!そんなでけぇ話、いきなり持ってこられてもよぉ」
桐谷「大丈夫!!松木庵さんのおまんじゅうは日本一、いや、世界一です!!必ず私が売って見せます!!どうか…どうかご出品を…!!」
徹也「親方。この仕事請けましょう」
親方「おいお前…」
徹也「料亭からの注文がなくなった今、こんなにいい話ないっすよ。やりましょう。うちの将来のために」
親方「……そうだなぁ…。よし徹也、今から新しいまんじゅう作るぞ!」
徹也「はい!」
早速作業にとりかかる2人
作業は夜通し行われた
瞬平「できたんですか!?」
親方「あぁ。食ってみてくれ」
親方は出来立ての温かいまんじゅうを3人に渡した
『いただきます』
「「いただきます」」
徹也「どうだ?」
『…美味しい…!』
晴人「うん!うまい!」
瞬平「うまい!!」
徹也「よっしゃあ!」
瞬平「売れます。絶対売れますよこのまんじゅう!!」
徹也「あぁ!親方、名前き決めましょうよ名前!」
親方「もう決まってるよ」
親方はまんじゅうに判を押す
そこには「きぼう」と書かれていた
親方「「きぼう」だ」
晴人「えっ…?きぼう…?」
親方「徹也、朝までに「きぼう」、500個作るぞ」
徹也「はい!」
親方と徹也はまたまんじゅう作りを開始した
晴人「「きぼう」ねぇ…」
瞬平「いい名前じゃないですか。僕もやっと、晴人さんとちゃんの助手として役に立てた気がします」
晴人「……………」