第13章 「希望の和菓子」
―――松木庵―――
瞬平「というわけで、ゲートである先輩を、ファントムが狙ったんだと思います!先輩は悪くないんですよ!ね!晴人さん、ちゃん!」
晴人「……………」
『(さっきのファントム…何か怪しい…)』
瞬平「もう!黙ってないで何とか言ってくださいよ!」
晴人「あ?何?」
『どうしたの?』
瞬平「だーかーらー、先輩の言ってることが嘘じゃないって…!」
親方「嘘かどうかは問題じゃねぇ。受けた仕事は死んでもこなす。それが職人の信用だ。うちは信用を失った。それだけだ」
徹也「いや、でも…!今あの料亭に切られたら売り上げは半分以下っすよ!?そしたらこの店は…」
瞬平「先輩、絶望しちゃダメです。希望を持ちましょう!」
徹也「希望ってお前…どうやって…」
瞬平「それは…その…そうだ、売ればいいんですよ。今までよりたくさん!」
徹也「…?」
瞬平「晴人さん、ちゃん、先輩のことお願いします」
晴人「あぁ…」
『わかった…』
瞬平はすごい勢いで店を出て行った
プルルルルルル
ガチャ
親方「はい松木庵。あぁ…山さん…悪ぃな…あぁ…何とか来月には…」
『…?』
徹也「小豆の仕入先だよ。ここんとこ支払いツケにしてもらってるから…」
晴人「この店…そんなにヤバイのか?」
徹也「これ以上赤字が続いたら…この店売らなきゃならないって…。親方…」