第13章 「希望の和菓子」
『晴人!!あそこ!!』
そこにはファントムと男性の姿が
晴人はファントムに飛び蹴りを食らわし、は男性に駆け寄った
『大丈夫ですか?』
地面には和菓子が散らばっていた
晴人「松木庵って…和菓子屋の?」
『晴人、後ろ』
《指輪の魔法使い…!!》
は男性の周りに魔方陣を張った
『ここから出ないでくださいね』
「あ、あぁ…」
悲しそうに和菓子を見つめる男性
『(この量を直せるかわからないけど…)』
は和菓子の上に手をかざした
和菓子は少しずつ直っていく
「え…!?」
『この量を全部直すには時間がかかるけど…』
「それは困る!」
『え…?』
―――――
どうやらこの和菓子は配達用の和菓子だったらしい
「は?バケモノに襲われてお菓子が全部ダメになった?」
「申し訳ありませんでした」
「納品できないならまだしも、バケモノだなんて…子供だってそんな言い訳しないわよ。誤魔化さないでちゃんと理由をおっしゃい!!」
「いや、誤魔化してなんか…」
晴人「本当なんです。信じらんないかもしんないけど…」
「信じられるわけないでしょう?」
『時間があれば私が完璧に直しますので…』
「そんなことできるわけないでしょう!」
「でも…!」
「黙れ徹也!」
そこに血相を変えたおじさんと瞬平がやってきた
「親方…」
晴人「瞬平…?」
瞬平「先輩なんです、僕の。さっき襲われたって聞いて…」
親方「うちの者が失礼しました。今日の納品分は梅林堂さんに電話して手配してもらいました。あと20分ほどで届くはずです」
「20分…。お昼には間に合うわね」
親方「もちろん代金はうちの方で持たせていただきます。この度は、誠に申し訳ございませんでした!」
親方は頭を下げた
それを見た徹也も頭を下げる
「松木庵さんとのお付き合いも…今日までです」
徹也「え…?」
瞬平「そんな!」
晴人「ちょっと!」
扉は閉められてしまった