第7章 「キレイな花には」
『あ』
そして遠くに晴人の姿が
まだ探してたんだ…
愛実は瞬平に抱きついた
瞬平「!!」
愛実「私も会えて…嬉しかった…」
瞬平「は、はいっ」
愛実は晴人が遠くへ行ったのを見計らい、瞬平から離れた
輪島「まなーみさーん♪」
愛実「げ」
『げ』
あんたもかいっ!!
瞬平「あれー?輪島さん?」
輪島「あれ、瞬平。あ、知り合い~??」
店員「愛実さーーん!!!!」
愛実「!!」
店員「こんなところでお会いできるなんてなんという偶然ー!!!!」
瞬平「あれ?知り合い??」
晴人「愛実さーーん!!」
そこには笑顔で手を振る晴人
『はぁ…。何てバカなの…』
は物陰から出た
『ホントにバカなんだから…』
晴人「あれ、?」
は晴人の耳を掴んだ
晴人「痛い痛い痛い!!」
愛実の周りにみんな集まった
晴人「で。何この知り合い大集合」
「「「今から愛実さんとデートするところ~!」」」
晴人「はっ?」
「「「えっ?」」」
3人は顔を見合わせる
瞬平「え、え、ちょっと待って…僕これから愛実さんとデートするんですけど…」
輪島「何言ってんだよ。今から愛実さんとデートするのは俺なの」
店員「違うよ、俺だって!」
輪島「いや、話しただろ?彼女が美術館のマドンナ。さっき買い取ってほしいものがあるって電話かかってきたんだもん」
店員「買うんだったら、俺の方がたくさん買ってる!」
瞬平「僕だってこんなにテキストいっぱい!」
輪島「俺だってなぁ、ガラクタ同然の骨董品を破格で買い取った…」
「「「ん??」」」
『やっと気づいたの?』
瞬平「え…?」
『この人、詐欺師。こうやっていろんな人騙してお金儲けしてたのよ』
4人の間を冷たい風が通り抜けた
愛実「…何が悪いの?」
晴人「え…?」
愛実「私はちょっとお願いしただけよ。みんな私の気を引きたくて勝手に私に貢いだんじゃない!」
愛実は晴人の持っていたスカーフを奪い取り、逃げた
はその後を追った