第6章 「決戦のコンクール」
高木「ふっ…その通りだ。今の僕じゃ優勝はムリだ。だったら手を失って、ピアノを弾けなくなった方がよっぽど諦めがつく」
『確かにあのピアノじゃムリね』
高木「!!…お前に何がわかんだよ!!」
『ピアノが言ってるの。「この人はどうしてこんなに悲しいの?」って』
高木「はぁ!?」
『どんなものにだって声がある。あなたのピアノがそう言ったのよ』
は歩き出した
『あと、ファントムを倒せなかったのは晴人のせいじゃない。それだけは言っておく』
はフラフラと歩きながら面影堂に向かうのだった
『輪島さん…?』
面影堂の外に輪島が立っていた
輪島「!!大丈夫か?」
『いつもより…かなり使っちゃった…晴人は…?』
輪島「部屋で寝てるよ」
『よかった…』
瞬平「ちゃん!?」
『全員無事に着いてたみたいね…』
凛子「えぇ…一瞬でここに…って、大丈夫なの!?」
『大丈夫だから立ってるんでしょ…』
は面影堂に入った
輪島「、これ」
『ありがとう』
は輪島からリングを受け取った
凛子「何?それ…」
『何でもいいでしょ』
はリングをはめた
凛子「さっき出てきたあの子は何だったの?」
『……………』
凛子はため息をついた
瞬平「晴人さんも心配だけど…コヨミちゃんって…確かに死んだはずなのに…生き返るなんてー!!」
『(うるさい…)』
凛子「3人の間で魔力のやり取りをしてたように見えたんだけど、違う?」
『………』
瞬平「何で、何でコヨミちゃんに魔力が入るんですかー!!」
『はぁ…』
凛子「彼女の手…死体みたいに冷たかった…コヨミちゃん…普通の人間じゃないのかも」
瞬平「えー!!」
輪島「気づいたか…」
『輪島さん…!!』
輪島「たぶんコヨミは…ファントムを生み出したあとのゲートだ…」
『……』
凛子「え…?」
輪島「どうして体が残ったかはわからないが…コヨミは…命も…記憶も希望も…ファントムに奪われて…抜け殻にされたんだ…。それはも同じ…』
凛子「え…?」
『…っ』
は右腕を握り締めた
輪島「今のコヨミは…晴人とに魔力をもらって…擬似的に生きてるんだ」