第46章 「笑顔は胸に」
瞬平「晴人さんも仁藤さんも…いくら白い魔法使いに会いたいからって…ゲートやちゃんをエサみたいに…!!」
『私は別に…!』
瞬平「それどころか…ワザと絶望させようとするなんて…!!それじゃ白い魔法使いと同じです!!」
「「……………」」
瞬平「絶望する人の辛さは…晴人さんだって知ってますよね…!?」
晴人「……………」
晴人は熊谷を見た
晴人「……バカだ俺…」
『晴人…』
晴人「ごめん先生…俺…見失ってた…。絶対腐らせちゃいけない…大事なことだったのに…」
熊谷「いいんだよ晴人。俺は…嬉しいんだよ…」
晴人「え…?」
熊谷「お前は初めて俺をあてにしてくれた…。だから言ったろ!何でも辛いこと、たった1人で抱えこんじまうお前の…俺は希望になりてぇんだって…!」
晴人「先生…」
酒井「飛行機、ありがとうな!!」
『あ、はい…』
は酒井に飛行機を渡した
本当はこのまま熊谷さんに渡したい気持ちだけど…
酒井「はぁ…よかった…。翔は…あのバケモノに操られてただけなんだよな?安心したよ。お前がいい子のままで」
翔「…いい子じゃないよ。だって…僕…操られてなんかない」
酒井「…?」
翔「自分が何してるか、全部わかってたんだ」
酒井「え…?」
翔「本当はずっと、こうしたかった…。お父さんのオモチャなんか…なくなればいいと思ってた…!僕だって…お父さんと一緒に…遊んだりしたかった…!!」
酒井「翔…」
翔の瞳から涙がこぼれ落ちる
『翔くん…』
は翔の背中を擦った
酒井「お前ってヤツは…」
バッ!!
ガシャンッ!!!
「「「『!!!』」」」
熊谷が酒井から飛行機を奪い、地面に叩きつけた
酒井「あーっ!!」
そして足で何度も何度も踏み潰した
晴人「先生…!!」
ガシャンッガシャンッ!!
酒井「ちょっと…!!」
熊谷「目を覚ませ!!こんなものがあるからいけないんだ…!!」
瞬平「でも…熊谷さんにとっても息子さんの形見じゃ…!」
熊谷「すまなかったな…大勢を巻き込んじまった…もう…俺の息子はいねぇんだ…。うん、だけどな…ちゃんとあいつの笑顔は…俺のここに残ってる…。今の翔や…みんなが…心の底から…笑えるようになってほしい…それが今の俺の希望だ…!」