第44章 「白い魔法使いの秘密」
コヨミは西園寺が落とした指輪を眺めていた
輪島「何か思い出したか?」
コヨミは首を振った
輪島「そうか。まぁ、焦ることはないさ。それよりよかったじゃないか。コヨミにもちゃんと過去があって、普通の人だってことがわかっただけでも」
コヨミ「…でも本当に私なのかな…その子…。全然思い出せないのに…」
『大丈夫だよコヨミ。そのうちちゃんと思い出せるよ』
コヨミ「うん…」
コヨミは少し嬉しそうな、不安そうな顔をした
『(いいなぁコヨミ…。私もちゃんとした過去を知りたいよ…)』
プルルルルルルル
輪島「はいはい…」
ガチャッ
輪島「もしもし…おぉ、仁藤くんか」
『仁藤さん…?』
輪島「!!おい晴人!!」
『…?』
晴人「はい?」
晴人が二階から降りてきた
輪島「とにかくすぐ行かせるから、うん」
ガチャッ
晴人「どうした?」
輪島「仁藤くんがな、木崎刑事を見つけたらしい。西園寺先生は俺たちが見てるから、お前たちは行ってこい」
晴人「うん」
『わかった…!』
晴人とは木崎のいる病院へ向かった
―――――
晴人「すいません、ここに木崎って人が運ばれたって聞いたんですけど…」
看護師「あちらです」
そこは集中治療室のような場所
中には入れず、ガラス越しに木崎の姿が見える
凜子「晴人くんに…ちゃん…?」
『凜子ちゃん…』
晴人「木崎は?」
凜子「命に別状はない。でも…意識が戻らないって…」
『…………』
晴人は椅子に座って膝を殴った
真由「でも…どうしてあのファントムは…白い魔法使いの居場所を知ってたんでしょう…」
仁藤「さぁな…。そんなことより、奴の過去を調べたってだけであんな目に合わせんだから…白い魔法使いはとんでもなく酷ぇ野郎だ。一刻も早く譲を取り戻さねぇと…」