第41章 「自転車に乗りたい」
―――国安―――
コンコンッ
凜子「失礼します」
木崎「お前たちの方から頼ってくるとはな」
晴人「おいおい…。先に頼ってきたのはそっちだろ?」
木崎「滝川空の件だが…お前たちにも有益な情報だったろ」
晴人「……そういう態度は気に食わないけど…あんたの力が必要なんだ」
木崎「わかってる」
木崎はファントム事件重要参考人データファイルを見せてくれた
晴人「違う…違う…違う…違う…」
カチッ…カチッ…
凜子「?」
木崎「今ので最後だ」
『え…?』
晴人「収穫ゼロかよ~…!」
凜子「こんなに見たのに…」
木崎「となると…目撃情報を当たるしかないな…。大門刑事、モンタージュ写真を作成しろ。あとは0課で調べてみる」
凜子「わかりました…」
晴人「あぁ…ありが…とう…」
木崎「……し、仕事だからな…」
木崎は部屋を出た
は木崎を追いかけた
『あ、あの…ありがとうございます…!』
は頭を下げた
木崎「…言ったはずだ…仕事だからだと…」
『はい』
そう答えた木崎は何だか照れているようだった
が部屋に戻ろうとした
木崎「おい」
『…?はい』
木崎「お前…上の空だな」
『そう…ですか…?すいません…』
木崎「謝る必要はない…。原因は…これか?」
木崎の手にはソラと2人で写っている写真
『…!!…それ…』
木崎「こんなに滝川空と密接な関係だったのか?」
『違います…そういうわけじゃ…!』
木崎「…操真晴人には言ったのか?」
『…言う…必要はありません…』
木崎「お前たちは信頼関係にあると思っていたが…」
『……言えるわけないじゃないですか…私だって…どうしたらいいかわからないんです…!』
不安な気持ちから泣き出す
木崎は驚いて頭をかいた
木崎「…っ…悪かった…」
木崎はの背中を擦り、ハンカチで涙を拭いた
『木崎さ…』
木崎「この写真は見なかったことにしておく」
木崎は写真を胸元のポケットにしまった
『木崎さん…』
木崎「でもあいつは危険だ。それは覚えておけよ」
『はい…』
木崎はの頭をポンポン叩いて行ってしまった