第40章 「ピッチの忘れ物」
―――屋上―――
晴人は屋上からサッカーをする子供たちを眺めていた
仁藤「ここにいたのか!ちょっとお前に頼みたいことがあるんだ」
晴人「あ?」
仁藤「ん」
仁藤は晴人に紙を渡した
仁藤「和也のカバンから拝借したの返しそびれちゃってな。わりぃがお前から返してくれねぇか?」
それは紙ではなくて写真だった
晴人と和也がチームメイトだった頃の写真
晴人「おい仁藤…!!」
仁藤「あぁ、皆まで言うな。こんなときだからこそ話せることもある!ま、ピンチはチャンスってやつだ!じゃな!」
直美「ねぇ和也は!?」
仁藤「いや…わかんねぇけど?」
晴人とは走り出した
そして別れて和也を探し始めた
『(どうして勝手にいなくなったの…!?)』
足も怪我をしてる
そんなに遠くには行けないはず
『(私も使い魔作ってもらおうかな…)』
ソラ「また会ったね」
『…そうだね』
ソラ「あれ?不機嫌?」
『…どうして私が1人になると現れるの?そんなに晴人が邪魔?』
ソラ「うーん…そうだね…。邪魔と言えば邪魔かな」
『私行くところあるから』
ソラ「あのゲートのとこ?」
『……………』
ソラ「僕的には行かせたくないなぁ」
『ファントムを倒されるのが嫌だから?』
ソラ「それもあるけど…ちゃんにまた怪我させたくないし」
ソラは包帯をしている手を握った
『痛っ…!』
ソラ「どうして戦うの…?こんなに怪我してまで…」
『私は…この力がある限り戦う…。希望を守るために…』
ソラ「………………」
『怪我したって構わない…。それが私の…運命なら…』
ギュッ…
『ソラ…!?』
ソラ「……………」
ソラは無言で抱き締める
『ソラ…?どうしたの…?』
誰もいないわけじゃない
普通に人が歩いている
『ねぇ…ソラ…恥ずかしい…離して…』
ソラ「…………」
『ソラ……んっ』
チュ…
ソラ「…どうしたら僕のものになってくれるの…?」
『ソラ…』
ソラ「…ゲートはこの先にあるサッカー場にいるよ」
『え…?』
ソラ「……………」
『ありがとう、ソラ』
はソラから離れてサッカー場に向かった
ソラ「何してるんだろ…僕」