第29章 「盗まれたベルト」
―――面影堂―――
晴人「仁藤の奴、大丈夫かな…」
瞬平「大丈夫じゃないですか?ってか考古学者同士、意気投合してたみたいだし」
晴人「逆にそこが心配というか…」
『さぁ…どうかな。無事に戻ってこれればいいけど』
「「「え…?」」」
輪島「仁藤くんも、ファントムを食べ続ける以外に生き延びる方法を探ろうとしてるんだろう?よかったじゃないか」
瞬平は頷いた
カランカランッ
凛子「あの中本さんなんだけど、考古学者って言っても特に実績のある人じゃないみたい」
晴人「おぉ、調べたんだ」
凛子「うん」
凛子はイスに乗っけてあった瞬平のリュックを投げ捨てて座った
瞬平「!!」
凛子「研究所の中でも影が薄い存在で、助手の1人に過ぎないって感じ」
瞬平「え、あんな研究熱心そうなのに?」
凛子「だから、今回の発掘はすごいチャンスってこと!」
晴人「そりゃ熱心なワケだ」
『…………』
熱心な気持ちに欲が出て…
“犯罪行為”に至らなければいいけど
夜になると使い魔たちが戻ってきた
晴人「偵察お疲れ様です」
『よく頑張りました』
コヨミ「ファントム見つからなかったね」
晴人「明日ゲートの様子を見に行ってくるよ」
『そうね』
輪島「おーい、3人ともー。ちょっとこれ見てくれ」
輪島が持ってきたのは宝箱だった
輪島「この宝箱、ゴーレムが作ったんだ」
晴人「え?」
ゴーレムは宝箱を開けて、指輪を中にしまっていく
晴人「お前すごいな~!こんな特技があったのか」
コヨミ「泥棒が入っても安心ね」
コヨミがゴーレムを撫でようと手を伸ばすがゴーレムは箱の中に入ってふたを閉めた
晴人「あら、照れちゃって」
『あははっ』
―――――
晴人「」
『晴人…どうしたの?』
晴人がの部屋に入ってきた
晴人「いや…大丈夫かと思って…」
『何が?』
晴人「この前…魔力使い切ったから…無理してんじゃないかって…」
『平気。それでわざわざ?』
晴人「まぁ…」
『あははっ、心配し過ぎだよ晴人は』
晴人「お前、この頃よく笑うな」
『え…』
晴人「瞬平と凛子ちゃんのおかげか?」
『…別に…』
晴人「照れんなって」
晴人はの頬をつつく
『でも…そうかもしれないね…』