第17章 「クリスマスの奇跡」
達郎を見張ることにした晴人たち
彼はいくつものバイトを掛け持ちしていた
土木工事、ガソリンスタンド、ティッシュ配り…
晴人「アイツ一体いくつバイトしてんだよ」
凛子「見かけによらず働き者みたいね」
瞬平「いや…遊ぶお金がハンパないんですよ。きっと。それか…悪いことして借金がすんごいあるとか」
凛子「かもね」
『何で悪い方にしか考えないのよ…』
「こんなところで何してるんだ!」
目の前にトナカイの衣装を着たおじさんが現れた
は晴人の後ろに隠れた
凛子「署長…!!」
署長「お前のせいでなぁ、ワシまでこんな格好させられてるんだ!!さ、今日はしっかり働いてもらうぞ」
凛子「あ、え!?ごめん!あとは任せた~!」
凛子は署長に連行された
晴人「お勤めご苦労さん」
『頑張って』
そのあとは宅配業者
宅配を終えた達郎はある場所を覗いていた
そこは児童養護施設「つばめ園」
そこからは楽しそうな子供の声が響き渡っていた
晴人「妙なとこで休憩するんだな」
達郎「…………」
晴人「それともここが次のバイト先か?」
達郎「つけてたのか。テメェらブッ飛ばすぞ」
達郎は晴人の胸元を掴んだ
「達郎か…?」
つばめ園から1人の男性が出てきた
「やっぱりそうだ…達郎。久しぶりじゃないか」
達郎「どけっ!!」
達郎は瞬平を押しのけ、車で走り去ってしまった
瞬平は晴人を巻き込み、地面に倒れる
はそれを間一髪で避けた
瞬平「すいません…晴人さん」
晴人「ったく…クラーケンが追ってるからいいけど」
「君たちは…達郎のお友達かね?」
晴人「いや…友達ってほどじゃないけど。あんたは?」
「私はここの…園長だ」
園長は3人をつばめ園の中に入れてくれた
子供たちはプラモンスターに夢中
園長「このつばめ園は…身寄りの無い子供を預かる施設でな。達郎も小さい頃に親をなくして…高校に入るまでここにいたんだ」
晴人「あいつも親を…」
園長「ん?」
晴人「いや。で?」
園長「だが達郎も…ちょっと乱暴なとこがあってな。園でも学校でも…よく問題を起こした。で、3年前にここを飛び出して、それっきりになってしまった…」