• テキストサイズ

イカロスの翼【ヒロアカ】

第15章 衝突




「かかってこいやエコヒイキ!!」


訓練場所として用意されたのは、雄英の敷地内にも存在しているような、戦闘訓練場βに似た仮想都市。
補習参加者はペアごとに一定の距離を置いた地点へと配置され、モニターを通して公安委員会がそれぞれの動きを監視する。
午前は戦闘、午後はそのデータを元に参加者をグループ分けし、今後複数回に渡る補習の中で、それぞれに合った「プログラム」を提供する、との説明は受けたものの。


(…そのための戦闘…って言われても)







注意事項として、目良が告げたのは二点のみ。






①負けたら仮免不合格決定(も例外ではない)






②本気で、潰し合ってください










からしてみれば、公安委員会が、9月の本試験で「戦闘力」を測るような課題を主旨として企画運営をしていたようには思えない。
あくまでも、連携力を主軸に置いた試験だったはず。
だから爆豪も轟も不合格になった。
いまさら戦闘力で資格を判断するというのなら、「不合格者の中に、地力が足りていない参加者がいる」ということになる。
ならきっと、それは。







(…あぁ、そうか。仮発行って…)







工業地帯を模したフィールドを飛び抜けながら、は、飛行して追いかけてくる爆豪から距離を取り続ける。
鋭い彼も、この「戦闘試験」の企画意図に気づいたらしい。






「コソコソ隠れてんじゃねェよ!!テメェみてぇなのが「合格しちまった」から、またくだらねェふるいにかけられてんだろォが!!」






はよ戦え!!!
怒鳴る爆豪が、爆破を器用に操り、との距離を一気に詰めた。
異性であることなど関係なしに、彼はの身体に左フックを引っ掛け、地面へ叩き落とそうとする。


『…っカルラ』
≪呼んだか、≫


急降下し、地面にぶつかる直前で。
は踵に凝縮していたカルラの炎を身体に纏い、地面との衝突を回避した。
見上げてくる彼女を見下ろしながら、爆豪が怒鳴った。






「訓練の時も、今もコソコソコソコソしやがって…!雄英にも公安にもエコヒイキされるだけの「何か」があんなら、見せてみろや!!」






/ 366ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp