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イカロスの翼【ヒロアカ】

第9章 遠い憧れ







ーーーあああ焦凍!!


ーーーごめんなさい焦凍!!ああなんてことを、あああなんてことを!!!


















眠りにつく直前。
母の泣きじゃくる声が、遠くから聞こえた。
泣き続けている母の声が頭の中で止まなくなって。
俺は暗闇の中で、深く呼吸を整える。
激しい胸の動悸に気付かないふりをして、布団を頭の上まで引っ張った。
煩いくらいに反響している母の声。
両耳を押さえて、布団の中でうずくまった時。
彼女の声を聞いた。














ーーー轟くんと友達になりたい


















頭の中で鮮烈に。
彼女の声だけが響いている。


「ーーー。」


突然、幻聴が止んだ。
息がしやすくなった。
俺は知らない間に滲んでいた目尻を擦り。
今日1日を振り返りながら。
眠りにつこうと試みる。



(…あぁ、今日は)












今日は、たくさんの出来事があった。
仮免試験に合格できなかったこと。
自分の未熟さに気付いたこと。
嫌なことや、悔しいことがたくさんあった。
楽しい1日じゃなかった。




けれど。




彼女と話ができた。
彼女と仲直りができた。
彼女と友達になれた。
それだけで、今日はとても、とても。
良い1日だった。





何だか胸の奥が温かい。




俺はその心地の良さに眠気を誘われて。




ようやく意識を手放した。









































































眠りにつく直前。
母の泣きじゃくる声が、遠くから聞こえた。
泣き続けている母の声が、頭の中で止まなくて。
私は暗闇の中で深く呼吸を整える。
布団を頭の上まで引っ張った。
煩いくらいに反響している母の声。
両耳を押さえて、布団の中でうずくまった時。
思い出した。







ーーー素晴らしい








ーーーおめでとう









ーーーキミは生まれ変わったんだ



























 

































その日は、一睡もできず。

気づけば。

既に、夜は明けていた。


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