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イカロスの翼【ヒロアカ】

第48章 原点




空中で繰り返される打撃戦。
一つの攻撃を緑谷が繰り出すごとに、ミサイルが爆発したかのような熱波が地を駆け抜ける。


「すごすぎないか、彼…」


相澤の処置を続けていたプロヒーローマニュアルが、空を見上げてぼやいた。
その声を聞いて、爆豪が「ダメだ、このままじゃ負ける」と言葉を遮った。


「轟、処置は済んだな!?」
「あぁ、何を…」
「うるせー俺に捕まれ」


爆豪は轟の襟を鷲掴むと、胸を押さえて体温を下げることに徹していたエンデヴァーの方へ駆け寄った。


「エンデヴァー!!上昇する熱は俺が肩代わりする!!轟はギリギリまでエンデヴァーを冷やし続けろ!!!」


四肢を壊しながら、巨悪と戦い続ける緑谷の元へ、エンデヴァー、爆豪、轟が飛び込んだ。
黒鞭が伸び切り、死柄木と緑谷の距離が一番離れたタイミング。
エンデヴァーが飛び出し、死柄木を背後から羽交締めにした。


「離れろ!!」
「エン…」
「てめェ!!」


エンデヴァーが最後の力を振り絞り。
高温の炎を噴出させた。









プロミネンスバーン!!!!































高エネルギーの放出。
この国のNo.1ヒーローの最大の攻撃。
その場にいたヒーローの誰もが、この戦いが終わると願った。
しかし。


「エンデヴァー!!!」


死柄木の身体から伸びた反撃の一撃が、エンデヴァーの肺を貫いた。
同じ黒色の爪が、緑谷にも向けられる。
四肢損壊している緑谷は宙でその攻撃を喰らいそうになり。
横から飛び込んできた爆豪が、緑谷を庇い、その体に爪を突き立てられた。


「かっちゃん!!!」


落下する爆豪の片足を、轟が必死に掴む。







「ーーー弔、ダメだよ……退カナ……!」







死柄木の中で、何か、とてつもない悪意が言葉を発している。
あんたの、言いなりには、ならない。
死柄木が意志を渡すまいと抗っているのか、変声機のように別人の声と切り替わりながら、声を漏らす。


「「みんな!!」」


インターン生の波動、飯田が轟の元へ到着し。
未だ闘志を絶やさない死柄木に向かって、戦闘態勢に入った。


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