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イカロスの翼【ヒロアカ】

第45章 イカロスの翼




ホークスの顔面を踏み締めたその足で、容赦なく荼毘が蒼炎を放つ。
ガク、と足の下から彼が抜け出した感覚を感じ、荼毘が蒼炎から飛び出したホークスの姿を目で追った。


「ウソだろ!?」


あまりの速度に、荼毘が素直に驚いた声をあげた。


「でもまァ…武器がだいぶ減っちまったな?」
「…仲間も燃えるところだったぞ」
「大丈夫。ヒーローってのァ…咄嗟に人命救助しちまうもんだ」


ところで。
と、荼毘は言葉を切って、辺りを見回した。
そして、転がっている彼女を見つけて。
身体を硬直させた。


「……?」


ホークスから視線を外し、荼毘が彼女に駆け寄る。
うつ伏せで倒れていた彼女を仰向けにして。
自身の手に付着した彼女の血を、マジマジと眺めた。
そして、次の瞬間。
殺気と、蒼炎を爆発させた。


「ーーーお前か?オイ」
「燃やせェ!!」
「動くなって!!」


トゥワイスが横に飛び退き、ホークスと一瞬距離を取った。
荼毘は浮かべていた微笑を全て消し去って。
憎しみのままにホークスへ蒼炎をぶち当てた。


「冷たっ……熱い!!!」
「おまえ一人いれば、ヒーローなんざ蹴散らせる。暴れろ、みんなが待ってるぜ…!」
「あぁ……!!」


組織の足を引っ張ったトゥワイスに。
未だ、声をかけてくれる荼毘の存在が、トゥワイスにとっての救いだった。
荼毘と最期に。
片手だけのハイタッチを交わし。
部屋の外に向かって駆け出した。


「どけやぁああ!!」


尚も行く手を阻もうとするホークスに向かって、トゥワイスが叫ぶ。
その声を聞き、荼毘が振り返り、ホークスに怒鳴った。


「鷹見!!!啓悟!!!」
「ーーーー!?」


お前が、と。
荼毘は尚も怒鳴る。
ここまで激情に駆られた彼を、ホークスは目にしたことがなかった。










「お前が、を殺ったのかって聞いてんだ!!!答えろよ!!!!」













荼毘の蒼炎に、ホークスが飲み込まれた。
トゥワイスは部屋の外に飛び出し、分身を一人、その場から逃した。









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