第44章 君は友達
インターンが2日、3日続く土日、インターン生達は学校に戻らず、エンデヴァー事務所に寝泊まりしている。
談話室などで見かけるは、常に焦凍と一緒だった。
(焦凍……!!危ないぞ焦凍、二人きりになるんじゃない…!!)
「…何見てんだよ」
「……………俺は」
認めないぞ、とエンデヴァーが苦々しげに言う。
と食堂でお茶をしていたらしい轟は、二人のそばを離れようとしない父親のその発言に衝撃を受けたのか、珍しく目を丸くした。
は特にそんな発言など気にする様子もなく、食堂のケーキバイキングを楽しんで、目の前の甘味に夢中になっている。
『轟くん。…………あ。焦凍くん』
が一瞬エンデヴァーを見て、轟の名前を呼び直した。
下の名前で呼ばれたことが新鮮で、彼は一瞬みじろいだ。
『美味しいよ』
「…そうか」
嬉しそうに頬を緩めている彼女を見て。
轟が柔らかい笑みを浮かべた。
「………!!!」
に異様に心を開いている息子の表情を見て、エンデヴァーが雷に打たれたような衝撃を受けた。
「エンデヴァー、暇なのか。常に一緒にいられると気が滅入るんだが」
「暇ではない。仕事中だ」
「俺らを監視することが仕事なのか」
「あぁそうだとも」
「………」
(そんなにうんざりした顔をするな焦凍……!!何かあってからでは遅いのだ!!)
「、食べ終わったらバルコニーに行こう」
『ん?わかった』
「ついてくんなよ」
轟がエンデヴァーを睨みつけ、ケーキを食べ終わったを連れて食堂から出て行こうとする。
「緑谷!!ついていけ!!」
「ええっ!?なぜですかエンデヴァー!?」
「きしょいな」
「焦凍、まさかと付き合っているわけじゃないだろうな!?」
「………だったら、何なんだよ」
エンデヴァーの背を眺めていた緑谷と爆豪がわかるほど、エンデヴァーは衝撃に打たれている。
轟は鬱陶しそうな視線をエンデヴァーに向けた後、行こう、とに声をかけて、食堂から出て行ってしまった。
「………付き合って……!?」
「えぇと、多分違うかと…」