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イカロスの翼【ヒロアカ】

第44章 君は友達




この戦闘訓練は、どうやら。
から三人へ持ちかけた話のようだった。


『インターン期間、みんなと近接の戦闘訓練がしたかった。本当は3人まとめてかかってきて欲しい。周りを気にしながら戦った方がいいと思うから』


1人ずつじゃ相手にならない。
はそんな言い方はしなかったが、実際、3人でまとめてかかってもに打撃1本すらいれられないその様子を見て、エンデヴァーが内心焦り始めた。










(ーーーホークスよ、貴様、「これ」をどうしてほしいというのだ)














『爆豪くん、また腕痛めるよ。今日はもうやめた方がいい』
「痛めてねぇよ!!黙って戦えや!!」
『戦ってる。戦いになってないだけ』


高速で動く緑谷の姿を視界に捉え続け、は飛び込んできた彼にカウンターを喰らわせる。
中段の蹴りをまともに緑谷が受け止め、その足を離すまいと、両手で彼女の足首を捕らえた。
それを予想していたかのように、爆豪が爆破で急接近して、腕を彼女の頭に振りかぶる。
は背中から地面に倒れ込み、捕らえられた片足と、もう片足を使って、緑谷の身体を頭上に持ち上げる。


「がっ!」
「てめデク!!」
「ーーーっ悪ぃ」


爆豪の打撃が、緑谷に直撃したのを見て、轟が地面を瞬時に凍らせた。
の背中を地面と凍り漬けにしようとするも、は白炎を展開させ、轟の方を向かないまま、自由のきく片足で緑谷と爆豪をまとめて蹴り抜いた。
彼女の足枷になっていた緑谷が手を離してしまう。
は飛び退いて体勢を立て直し、轟の方へと飛び出した。
彼女は女性の身体で足りない馬力を、個性による火力でブーストする。
容赦のない飛び蹴りを喰らい、轟が反対側の壁まで吹き飛んだ。


「轟くん!!」
『最後、緑谷くん』


よそ見しないで、と。
彼女が緑谷の背後で囁き、反射で振り返った彼の顔面を、ガッと鷲掴んだ。


(ーーー地面に、叩きつけられる)


緑谷が覚悟をしたその時。
は、パッ、と彼の顔から手を離した。


『……今日はもう寝よう』
「……えっ、も、もしよかったらまだ…!」


が地面から立ち上がれない轟と、爆豪を指差して、言った。


『もう、休んだ方がいい』


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