第40章 闇の饗宴
ホークスと出会ったばかりのは、なぜか。
一般市民とは思えないほどの格闘技を既に身につけていた。
組み手を100戦やって、100勝0敗。
もちろん、彼女が勝って、ホークスが負けた。
彼女の過去をカルラに聞いても、カルラは一切周りの人間に興味関心を持ちはしなかった。
彼女からカルラへ問いかけたとしても。
《お前はお前だろう。今更何を私に聞くことがある》
と。
会話になっているようでなっていない、不毛な押し問答になってしまった。
成長して公安のエージェントとなって、訓練を重ねてきた。
あと2年もすれば彼女は「ウィングヒーロー」の片翼を名乗り、ホークス事務所でホークスの半身として、活躍できる。
はずだった。
(他の追随を許さないパワー系個性に、俺の個性が組み合わされば、オールマイトにも引けを取らない最強のチームアップができた。彼女が敵側にいるというのなら、誰かが止めなくてはいけない)
彼女の炎に負けない耐久力。
彼女の炎を消し去ってしまえるような、対極に位置する個性を持つのはーーーー
「ーーー焦凍くん、エンデヴァーの所へ行くって言ってた?」
トゥワイスとコンプレス、スピナーと、トガと鍋の用意を進めながら。
ホークスがに問いかけた。
『うん。頑張るって言ってた』
「…そうなんだ」
(学生を保険に据え置くなんて、馬鹿げてる)
わかってはいても、頭数が足りない。
学徒動員なんて、大っぴらには絶対に公表できない。
だが、真正面から彼女とホークスが戦って、勝ち越せるとも思えなかった。
限られている選択肢。
だから公安から指示が来たのだ。
フェニックスを「排除」するように、と。
排除という言葉は、公安内で「暗殺」という意味を持って使われている。
公安は、ホークスに
彼女を消せ、と指示を出している。
そして、敵一掃作戦遂行のため、ホークスが考えた最重要人物は、フェニックスと、もう一人。
「俺鍋なんて子どもん時以来だなー。なんかこういうのいいな!良くねぇよ!」
「…そうっスねー。俺も子どもの頃以来」
個性「二倍」を持つ、トゥワイスもホークスの標的となっていた。