第40章 闇の饗宴
、というホークスの声を聞き、は背後から飛んできていた荼毘の炎を白炎で相殺した。
熱風が駆け抜け、逃げ遅れていた構成員達を力強く煽った。
炎の出力をやめない荼毘に対し、は片手を荼毘に向け、同じ火力で応戦する。
『次は荼毘か。どうしたのかな!』
「どうした、じゃねぇんだよ…氷に炎ぶち当てて、負かしたつもりか?おいおい、そりゃそいつが相性悪くて可哀想だろ。お前に言いたいことがあるってんだから」
ちゃんと、黙って、聞いてやれよ!!!と、荼毘ががなり、蒼炎で外典もろともを飲み込んだ。
蒼い海からが飛び上がって、外典を炎から引きずり出した。
荼毘はもっともらしい言葉を使いながら、おそらくは自身のフラストレーションを最大限にへぶつけてきている。
そんな彼を、が上空から見下ろした。
彼は笑っている。
笑ってはいるものの。
その立ち姿はとても冷たい殺気を纏っている。
『だから…言いたいことがあるなら』
「んなもんねぇよ!!」
ゴウッという音を立てて、辺り一面に広がる蒼炎。
自分に向かって迫ってくるその攻撃を見て。
は。
『ーーー……すごく綺麗』
その光景に胸を打たれて。
外典をホークスの方に投げ飛ばし。
自身は。
炎に飲み込まれた。
「!!」
勢いを増す炎が、風と共に散っていく。
ホークスが外典をしっかりと受け取って、の方を見上げた。
彼女は、荼毘と同じように笑っていた。
まるで、この現状が面白くて仕方がないというように。
自分の白炎で蒼炎をあっという間に蹴散らしては。
ただ、ひたすらに、眩い豪炎を全身にたぎらせていた。
圧倒的な熱量を誇るの火炎を見て、荼毘が表情を曇らせ、舌打ちした。
彼女から発生している熱波を受けて、地面に転がっていた外典の氷塊が液体と化していく。
圧倒的な彼女の強さに、一人の構成員がホークスの近くで呟いた。
「誰も……勝てるわけない」