第35章 犯罪者の手記
『他の部隊は』
が問いかけた。
ガンッと外典とトガがわかりやすくショックを受けた。
ふむ、と、リ・デストロが部隊の紹介をし始める。
「トランペットはーー……」
人形にベタベタと触れられながら、ホークスがカメラを装着されている間。
は至極めんどくさそうに、部隊編成を聞いていた。
『えー………じゃあどう考えても荼毘の部隊が適任なんじゃないですか?』
「だからそう言ってる」
個性の特性ごとにまとめられた超常解放戦線の戦闘部隊。
ホークスが聞いているだけでも、かなりの個性幅があった。
(…十万人いれば当然か)
「では、退がっていいぞ、」
『雄英に戻ります』
「……っ待て、来たばかりだろ」
「ちゃんケーキ食べ行こ!ねェ、まだ帰んないで!」
一瞬、会議室から出ていくとホークスの目が合った。
意思疎通を図ることのないまま、はまた視線を前へ戻した。
開け放たれた扉から、慌てて外典とトガが飛び出していく。
の隣を歩く外典と、の腕にしがみついて歩くトガの姿を見送って。
ホークスは呆然としていた。
「なんて絶望的な顔してんだよ」
荼毘に声をかけられ、ホークスはハッとした。
「幼馴染が同じ組織にいてくれてんだぞ。もっと嬉しそうな顔しろよ」
「………。」
「あぁ、巻き込むつもりはないんだったか?悲しいなァホークス。健気な想い、届かなかったみてェだな」
アイツさ、と。
荼毘はホークスに耳打ちした。
「俺ら敵連合よりも先に革命サークル入りしてやがった。俺らがどうこうしたわけじゃねェ。勝手に集まってきたんだとよ。聞きてえよな、今まで何考えて生きてたんだって。でもおまえもう、監視対象だから」
二人だけの秘密の話?
もうできねェな、と。
荼毘はホークスの翼に固定された監視カメラを一つ摘んで、手のひらに握り込み。
嘲笑った。
「おめでとうホークス。人殺しになって、見事俺らの仲間入りだ。仲良くやろうぜ」