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イカロスの翼【ヒロアカ】

第33章 ティータイムの後で



夕方。
一般の参加者が帰宅する閉校時間。
玄関先で、緑谷とが壊理を見送った。
おみやげに、緑谷とが作ったりんご飴をもらった壊理は、少しだけ寂しさを紛らわせて、楽しい気持ちのまま帰路に着いた。









そして、夜18時から。
学生と教員のみが参加する後夜祭が開かれた。


〈それじゃーー皆さん、グラスを持って!!乾パァーーーーイ!!!〉
「「「乾杯!!!」」」


グラウンドに設置された巨大なキャンプファイヤー。
立食形式のようにテーブルがいくつか設置され、その上にはご馳走が並んでいる。
学年クラス問わず交流できるようなその催しの開催は、当初学生達には伝えられていなかった。
突如として、前日配られた文化祭パンフレットに「後夜祭」というプログラムが追加されていたのだ。
教員達曰く、これは、校長からのサプライズらしい。


「ご馳走がいっぱい…タッパーに入れて持ち帰りたい…!」
「お茶子ちゃん、それはダメよ。絵的に良くないわ」
「ファイヤーあったけぇー」
「…狂乱の宴」
「なぁなぁ、今度クラスでも打ち上げやろうぜ!」
「やろーやろー!」


盛り上がっている学生達の中。
一人、ぼんやりと。
が燃え盛るキャンプファイヤーの炎を間近で見つめて、立ち尽くしていた。
少しすれば戻ってくるだろうと、轟が様子を見ていたが、は一向にクラスの輪に戻ろうとしない。


「ーーー」


轟が声をかけようとした時。
に、普通科の学生が一人、声をかけに行った。


(…確か、心操…だったか)


相澤と、と、早朝訓練をしているという彼は、文化祭当日だというのに顔に絆創膏やガーゼを貼っている。
生半可な訓練ではないらしい。
それもそうだろう。
の格闘技は、個性を制限していても、トップクラスに強い。
むしろ、「使えない個性を使わない」と決めてからの彼女は、未だ戦闘訓練で負けなしだ。
仮免講習で負けた爆豪すら、打撃一本もいれられないまま、瞬殺されている。
元々の実力がそうだったのだろう。
新しく発現した個性を取り入れて戦おうとしていたから、それが仇になって、苦労をしていたように思える。

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