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イカロスの翼【ヒロアカ】

第30章 ワクワクさん




ーーー学校祭まであと3週間。


1年A組ライブ演出隊に配属された切島、甲田、瀬呂、轟、は、ハイツアライアンス寮のダイニングで初回の企画会議を行っていた。


『あ』
「…ん?どうした」


玄関側の窓に一番近い席に座っていたが、窓の外の世界で何かを見つけたらしい。
スクッと急に立ち上がり、足早に玄関へと向かっていく彼女の様子を見て、他のメンバーが顔を見合わせた。
が靴を履いて玄関を出ていく前に振り返り、切島に向かって声をかけた。


『エリちゃん』
「えっ、エリちゃん来てんの!?」


どたたたと慌てて飛び出していく切島の背を見送って、残された轟、甲田、瀬呂の三人も外へ様子を見に行くことにした。


「校長から許可が下りた。びっくりしてパニック起こさないよう、一度来て慣れておこうって事だ」
「エリちゃん!インターンの子か!俺は飯田、よろしく!」
「おいら峰田」


寮の玄関先。
一瞬のうちに出来上がった人だかりの中心に、壊理と通形、相澤が立っている。
次々と自己紹介をしてくる生徒たちにおびえているのか、壊理は通形の後ろに隠れ、少しだけ顔をのぞかせて、きょろきょろと辺りを見渡していた。


「あ。さん」
『こんにちは』
「こんにちは」
「なんでキミだけ名前呼び?」
「ヒーロー名より呼びやすいからじゃないですかね」


を人だかりの中から発見した壊理は、パッと近づいていこうとして、彼女の周りに立つクラスメイト達に狼狽し、また通形の背後に隠れた。


「これから俺、エリちゃんと雄英内を回ろうと思ってんだけど、緑谷くんとさんもどうだい!?」
「じゃーちょっと休憩挟もうか!ティータイム!」


気を利かせたダンス隊隊長の芦戸が、緑谷との背をトンっと押し出した。
通形の近くに押し出され、距離が近づいたを見て、壊理が彼女のスカートのすそを掴んだ。
眉を八の字にしたまま、壊理がを見上げる。


「この前、ちょっとしか話せなくて残念だったんだよね!」
『……うん、ごめんね』


はその場でしゃがみこみ、小さな小さな女の子と目線を合わせた。


『今日は、たくさんお話しよう』



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