「新テニ×ナージャ」理想のペア、ダンデライオン一座に会う!?
第1章 理想のペア、ダンデライオン一座に会う!?
「助かった」
「ありがとうございます」
「いいえ」
丸井と木手がお礼を言ったとき、黒の紳士服を着た金髪の青年から日本語で返ってきたため、理想のペアは目を丸くします。
「日本語が通じてる」
「丸井くん、彼に聞いた方が良さそうですね」
「ああ。あの、エクスキューズミー」
「はい」
「丸井くん、そこは英語でなくても……」
そう木手はツッコんでいましたが、丸井は聞いていません。丸井は英語で聞いても「はい」と返事をしてくれた黒の紳士服の青年に嬉しそうな表情をしたあと、ヴィネツィアに来たいきさつと三船コーチの荷物が何者かに盗まれてしまった話をしました。
すると、青年は驚いた表情をし、丸井と木手と出合う前に、三船コーチの荷物を持った犯人かもしれない人物2人を見かけたことを思い出します。
「あの、もしかして、犯人見かけましたか?」
木手が聞くと、黒の紳士服の青年は首を振り、
「いいや」
と、答え、行ってしまいました。
「そっかぁ」
丸井はガッカリします。
「………」
木手の方は今の青年は三船コーチの荷物を持った犯人のことを何か知っていそうだと、黒の紳士服の青年の背中を睨んでいました。