第4章 輪虎(りんこ)×幼馴染
彼の言葉で自分が涙を流していることに気付き、慌てて離れて拭えば、再び引き寄せられて、目尻を彼に舐められる。
『んっ…』
「君はもう、僕だけのものだ」
…!
そう彼が言い終わった時には、唇が重なっていて私と輪虎の距離は無くなる。
暖かく柔らかな感触に幸せを感じて、少し離れた彼の顔を引き寄せて、今度は自分から重ねる。
「意外と、大胆なことをするね」
『り、輪虎だって…人前で横抱きにするなんて…!』
「ハハッ…じゃあ、もう遠慮はしないからね」
そう低い声で私の耳元で囁くと、そのまま彼の舌が私の首筋をゆっくりと這い身体が大きく揺れる。
輪虎の、息がかかって…!
ぎゅっと彼の服にしがみつけば、クスクスと笑われて再び至近距離で目が合う。
『り、輪虎も…私、だけの、だからね』
「出会った日から、僕の心は華のものだよ」
大きな音を立てている心臓。
きっと輪虎に聞こえてしまっているけれど、もう気にならなかった。
むしろ聞こえて欲しいとすら思えて、微笑み合えば今度は吸い寄せられるように口付けが始まったんだ。