第4章 輪虎(りんこ)×幼馴染
そう彼は私を真っ直ぐ見つめて言えば、いつの間にか到着していた彼の部屋の布団にそのまま腰をかけ、私は彼の膝の上に乗っている状態となる。
ずっと、前から…
その言葉に胸が熱くなりなんだか泣きそうになってしまう。
『ずるい…』
「急に好きとか言う華もずるいと思うけどね」
『だって私ばっか、輪虎にドキドキさせられて…』
「それは違うよ」
そう私が口を開いている途中で輪虎に否定される。
思わず首を傾げれば、背中にまわった彼の腕に力が込められて、
「出会った日、華の笑顔に救われた。
殿の厳しい鍛錬も、華に見られていると思えば大したことなくて、
僕が華を避けても、いつも華は同じように僕を支えてくれた。
何もない僕に生きる意味を与えてくれたのは殿だけど、生きる喜びをくれたのは華だよ。
出会ったあの日よりも、
華からの好意を初めて感じたあの日よりも、
1年前より、昨日よりもどんどん華が好きで欲しくて堪らなくなる。
…これを聞いてもまだ自信が持てないかな?」
そう言い終わった彼から目がそらせない。
嘘をついてないと分かるから。
慌てて首を横に振れば、彼がホッとしたように笑顔になり、私の額に彼のそれをくっつけて、
「泣いている顔も可愛いけど、僕以外には見せないでくれないかな」
そうクスッと笑ったんだ。