第4章 輪虎(りんこ)×幼馴染
「華様!御準備は整いましたか?」
『ふふっ、大丈夫です』
輪虎の、突然の告白と求婚からしばらく経った今日。
私は従者の方にそう笑顔で応える。
だって今日は、正式に彼と一緒になれる日だから。
「!お綺麗です。きっと輪虎様も…」
「おや、僕の妻はやはり綺麗だね」
そう従者の言葉の途中で、大好きな声が聞こえ振り返れば、
「迎えに来たよ。華…って、うわぁっ」
笑顔でそこに立つ、愛しい彼に思わず抱きついてしまう。
いつもと違う正装に少し胸が高鳴りながらも、彼の背中にまわす腕は緩めない。
「このおてんば具合は治りそうもないね、ハハッ」
『輪虎が大人すぎるのよ!はやくお父様達に会いたいな』
「あぁ…じゃあ、行こうか」
そう彼の手をとり、部屋を後にする。
このあと、沢山の人からの祝福で、さらに幸せになる事を彼等はまだ知らない。
FIN