第1章 嬴政(えいせい)×新人宮女
微笑む政はやっぱり、見惚れてしまうほどに綺麗で。
今夜は、彼と会えなくなるという事はもう考えない事にした。
「政、と呼んでくれるのは2人の友人くらいなんだ」
『ご友人…?』
「あぁ、王都奪還を共に成し遂げた友人だ」
『政は…やはり大王様なのですね。
…はっ!あ、申し訳ありません…!』
な、何を当たり前の事を…!!
本当に失礼な事を…!
そうぎゅっと目を瞑っていると、
「ははははっ!面白いな、華は」
聞こえてきたのは笑い声で…
『せ、政?…んっ!』
目を開いた瞬間、見えたのは政の整った顔。
!!!!!!?
わ、私…!!
初めての口づけにみるみる熱くなっていく身体。
少し離れて、頬に手を添えられれば、
「面白くて、愛おしい…今宵、いいか?」
『は、はい…』
もう。頷くことしか出来なかったんだ。