第4章 輪虎(りんこ)×幼馴染
…………え?
言葉の意味を理解するのに時間がかかったが、理解した瞬間に彼から離れて目を見開く。
従者の方か父上が運んでくれていたと聞いていたのに…!
『…うそ』
「寝言で僕の名を呼んだ時は驚いたけれどね」
『う、うそ……』
「本当だよ?両想いと気付いていたのは僕の方だけかな?」
そう微笑まれて輪虎の手が私の手を優しく握れば、触れられた部分からどんどんと熱がこもっていく。
輪虎は気付いていたの?
って、いや、そもそも、寝言を言ってたなんて…!
顔が熱くて、彼と目を合わせられない。
「それで、僕の妻になってくれるって事でいいのかな」
『え、あ……。はい。』
うるさい胸の鼓動をおさえつけ、そう恐る恐る顔をあげれば、額に柔らかなものが押し当てられ、それが彼の唇だと気付くのに時間はかからなかった。
「ありがとう。それじゃあ、殿のところに行こうか」
『へっ!?な、なんで私まで!?』
彼の口付けの余韻に浸る間もなく、手をひかれて何故か私も廉頗将軍の元へ。
そしてあの部屋にたどり着けば、父上までいて…
婚姻する報告に、戦の勝利の宴に、その他諸々立て続けに事が進んで気が付けば3日が経とうとしていた。