第4章 輪虎(りんこ)×幼馴染
ようやく胴の包帯を巻き終わり彼から距離をとれば、グッと肩を引き寄せられ、彼の腕の中に包まれて…
『り、りん、こ?』
わけも分からず、そのまま彼の手当てされた腕の中で固まっていることしか出来ないでいると、
「悪かった、君を避けたりして。
僕は殿に命を捧げているから、その他のものは望むつもりは無かったんだ。
だけど、華といると、どんどん君が欲しくなってしまう。
でもさすがにね……今回の戦で死を感じて、後悔したんだ」
そう輪虎が話し始めたんだ。
途中からだんだんと力が抜けてきて、彼の首筋に頭を預け、彼の脈を感じて心が熱くなる。
輪虎、それって……
「殿には話してある……君に想いを告げたいと。
華、何にも無い僕だけど、どうか…僕の妻になってくれないか」
時が止まった気がした。
耳に直接感じていたはずの彼の脈も分からなくなるほどに頭が真っ白に。
でも、次の瞬間には頬に涙がつたっていて、
「出会ったあの瞬間から、華のことがどうしようもなく、好きなんだ」
『そ、そんな……私の方が…好き、だもん』
そう応えれば、彼の腕により強く引き寄せられてしまったんだ。