第4章 輪虎(りんこ)×幼馴染
『え?』
丁度、片腕の包帯を巻き終わり、至近距離で彼を見つめてしまう。
避けてた…って、やっぱり!
『ど、どうして!?』
驚きのあまり大きな声を出してしまい、目の前の輪虎がクスクスと笑い出す。
なんで笑って…
意味が、わからないよ……
輪虎はたまに私をからかったり意地悪をしたりしてたけれど、なんだかそういうのとは違う気がしてしまう。
「腕に包帯を巻いてくれるのもありがたいんだけど…
胴の方を先にお願いしてもいいかな?」
『え、あ……ごめんなさい
…………って、ちょっと!?』
そう彼の胸に包帯をひと回しした時に、話題をすり替えられた事に気付き、彼を抱きしめた状態で見上げれば、
ち、近い…!
思わず顔を晒して再び包帯を巻き始める。
って、包帯巻いているだけだもん!
……なんで、私のこと、避けてたの?
そう再び考え出してしまえば、嫌われたのではという考えが頭の中に広がり泣きそうになってしまう。
輪虎を見上げようにも、恥ずかしさで熱くなった顔をこの距離で見せるわけにもいかず彼の表情は分からない。
は、早く包帯を巻き終わらなきゃ…!