第4章 輪虎(りんこ)×幼馴染
そう私が廉頗将軍を見上げると、ガハハハッと豪快に笑うと顎に片手を当てて、
「わしが行こうと思っていたのだがな。譲ってやろう!
ここの部屋に来るのはゆっくりで良いと伝えておけ」
『えっ!?あ、ありがとう、ございます!』
そう笑顔で私が覗いていた部屋に入っていった廉頗将軍を見送ると、息をゆっくりと吐いて教えてもらった彼がいる部屋へと向かう。
出会ってからすぐに剣術を身につけ、戦に出始めて活躍して、あっという間に廉頗将軍の四天王となった輪虎。
20になったばかりだというのにもう将軍に成り上がろうとしている彼を、ずっと見てきた、ずっと見てきたのに…
最近は顔を合わせる機会が少なくなり、別世界へ行ってしまったような気がしてしまう。
辿り着いた扉の前で従者に声をかけたはいいものの、扉の中は踏み込むのを少し躊躇ってしまった。
あんなに会いたいと思っていたのに。
…本当は廉頗将軍がここへ来るはずだったけど、いいのかな
『失礼しま……っ!輪虎!?』
なんて心配は、従者越しに見えた彼の姿で吹っ飛んでしまったのだけれど。