第3章 蒙恬(もうてん)×湯女(ゆな)
流れる静寂がもどかしく感じてしまう。
私、やっぱり気に触るような事を言ってしまったのかな…
恐る恐る蒙恬様を見上げれば、ゆっくりと私を膝の上に座らせて微笑まれる。
『お、下ろしてください!』
「だーめ。君、気に入っちゃったなぁ。
この、いやらしい身体も見てみたいし」
『へっ!?きゃっ…』
主人である蒙恬様の上に乗っかるなんてもってのほか!
そう身をよじっていれば、彼に薄い衣服の上から身体のラインをツゥと撫でられ、身体がビクリと跳ねる。
湯気を吸った湯浴み着など、衣服の役目を果たしておらず、べったりと身体に張り付いて透けているのだ。
いつの間に…!?
慌てて両腕で胸を隠すが、それも彼の鍛えられた腕によって外されてしまい、
「このまま、僕の胸と腹、洗ってよ?」
『…は、はい』
抗う術など残っていない。
湯女になった時点で、このくらいの羞恥は捨てていなくてはならなかったのだ。
湿度のせいか、緊張のせいか…
恐らくその両方で全身が熱く火照っている。
なんとか、濡れたタオルを彼の身体に当てて彼の顔を見れば優しく微笑んでいて、
『失礼、します…』