第3章 蒙恬(もうてん)×湯女(ゆな)
そうニコッと笑って振り向かれれば、再びすぐ近くに彼の顔が現れる。
わ、私!何か失礼な態度を…っ!?
『も、申し訳ありません。その通りで…!?』
そう頭を下げようとすれば、チュッという音と共に頬に柔らかい感触がして…
今、口付けされた、の??
そう思えば、顔に再び熱が集中していき、
「ははっ!やっぱり!
そんな薄着で可愛い反応されると襲っちゃうよ?」
『も、蒙恬様!?』
「じゃ、身体洗うのお願いしまーす!」
完全に、からかわれてる…。
なんだか嫌な気はしないものの、心臓が破裂しそうなほどに脈打っている。
これから私…大丈夫かな……。
そんなこんなで、順調に、
首、腕、背中と洗っていくうちに、明らかに剣で付けられた傷跡やガッシリとした身体つきに心臓がきゅっと締め付けられる。
見かけからは想像がつかなかったが、間違えなくこの方は士族なんだと。